「アベノミクスについての予言」自己採点

 去年の5月に「アベノミクスについての予言」というエントリーを書いた。まだ一年も立ってないが、消費税が上がる前に自己採点しておこう。

1.インフレになることはなく、デフレは解消しないだろう。

 

 2.株価は上がるが、期待したほどにはならないだろう。

 

 3.地価が上がることはないだろう。

 

 4.中間層が消え、次は小金持が消えるだろう。中金持ちくらいもあやうい。

 

 5.貧困層はさらなる貧困を味わうだろう。

 

 6.それでも日本は経済成長をなしとげることだろう。

 

 7.安倍晋三は長期政権を維持し、自民党は史上最大の議席を獲得するだろう。

 

 8.日本が破綻することはなく、国債は増えつづけるだろう。

 

 我ながら半端な「予言」だ。やれやれ。

 さて、まず「1.インフレになることはなく、デフレは解消しないだろう。」について。現時点ではその通りになっていると思う。

 こないだの報告には「上昇」の文字をねじ込んだが、「デフレ脱却を表明するのは、早くとも年末になる」とあんまりな甘利が認めた通りだ。「ゆるやかな上昇」をしつつも、下押し圧力は強い。

 「 2.株価は上がるが、期待したほどにはならないだろう。」

 期待したほど、というのは「2万円」である。

 ただ、私の予測としては「せいぜい1万3千円」だったので、これは△

 「3.地価が上がることはないだろう。」

 去年少しばかり上昇した。これは×。はずれたと認める。むしろ下がると思っていた。

 少子化の影響を大きく見積もりすぎていたか。

 「 4.中間層が消え、次は小金持が消えるだろう。中金持ちくらいもあやうい。」

 「 5.貧困層はさらなる貧困を味わうだろう。」

 なんでこんなわかりきったことをわざわざ書いたのか、自分でも不思議に思うが、当時巷間に「アベノミクスで未曾有の好況がやってくる!」「あなたはこれまで経験したことない好景気を知るだろう!!」というぐあいの提灯記事があふれまくっていたからだろう。あの時は、当たりまえの予測すら当たりまえに書けない時期だった。

 「 6.それでも日本は経済成長をなしとげることだろう。」

 今回がっくり下がって騒いでいるが、成長することはした。ただ、4、5のようなことをすれば「成長」するのは当たりまえで、歯磨のチューブのおしりをカナヅチで叩くようにしても、「成長」はしてしまうものなのだ。

 「7.安倍晋三は長期政権を維持し、自民党は史上最大の議席を獲得するだろう。」

 これは予言というより、あきらめ。

 はずれてくれた方が嬉しいが……

 「 8.日本が破綻することはなく、国債は増えつづけるだろう。」

 これはそうなってる。

 

 以上。自己採点なので、甘くなっていると思うがご寛恕のほどを。甘いと言っても、あべぴょんのとりまきによる安倍評価より1億倍はマシなはずだ。

 

 アベノミクスについてはまだまだ続くことだろうし、ここで評価を定めるのは不適当かも知れない。

 異次元金融緩和はおかわりをねだられるだろうし、日銀はそれに応じざるを得なくなるだろう。その先に何が待ち受けているのか、それは誰にもわからない。わかっているのは、「オレにはわかってる」というやつは山師のたぐいだ、ということくらいか。

 

 ……と書いてきて思い出したのだが、「予言」をしたきっかけは、ポール・クルーグマン"Japan The Model"というのを読んであきれたからだった。最近、とんと日本についてふれなくなったようだが……