同じ穴の狢が吠えあっているからと言ってどちらかを応援すればいいというわけではない

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 「グローバリズム」を引っこめ、「自由」という普遍的価値を前面に押し出した、日経さんの力作である。と言っても、詐欺的だが。

 もしかすると、あべぴょんの方にも同様の「示唆」が与えられているのかもしれないが、まあとにかく、ポロロッカに逆らってカヌーを漕ぎ出すようにTPPを無理押しするなら、「グローバリズム」というカタカナ語より「自由」貿易と言った方が通りが良くなるだろう。

 

 トランプがTPP離脱を口にしたからと言って、トランプが反グローバリズムに資することは全くない。トランプが目指しているのは、あくまでアメリカ第一の保護主義であって、それがグローバリズムに逆らっているからと言って、反グローバリズム側が賞賛を送るのは完全に間違っている。

 トランプには公平性fairnessがないからだ。

 そしてそれは、「自由」「自由」と騒げばTPPが正当化されるかのように考えている日経さん、そして日経さんが「信じて」やまないあべぴょんも同類である。

 

米議会には、TPP承認の環境を整えるため、まず日米の2国間で自由貿易協定(FTA)を結ぶべきだとの声がある。その場合、米国はTPP合意より踏み込んだ関税撤廃を日本に求めるだろう。 

 

 もしそうなったなら、日経さんは「ほらやっぱり!TPPを推進すべきだったのに!!」と鬼の首を取ったように騒ぐだろう。そしてそれはあべぴょんも同様で、さらにはマスメディアに同調するひょーろんかの先生方、そしてそれに乗せられる有権者の方々も同じくなるだろう。

 

 念を押しておくが、TPPを基準にしてカテゴライズするのは、どうしようもない錯誤だと言っていい。

 TPPに賛成しようが反対しようが、トランプを「信頼」するあべぴょんも、あべぴょんを「信じる」日経さんも、同じ穴の狢である。