都知事選雑感もしくは「小泉純一郎なるもの」
やれやれやっと終った。
そして、その結果は満足にほど遠くとも最悪はまぬかれた、というのが偽らざる感想だ。まして、「細川に一本化」なぞしていたら、最悪の上のさらに最悪の結果がもたらされていただろう。
脱原発側の体勢は、小泉純一郎それ自身ではなく、「小泉純一郎なるもの」という肥大した何かにふりまわされ、自分で自分の足を踏んづけた局面も多かった
それでもよく踏みとどまったものだ。しかし、脱原発側のかたくなな部分はよりいっそう硬直性を増し、それはここから先の懸念を残すところとなった。残念だが、「小泉純一郎なるもの」が登場したとき、そうなることは眼に見えていたわけで、予測されたことを悔やむのは愚か者のすることだ。
タモガミが予想以上に得票したのは、石原慎太郎や百田なんとかの応援があったから、ということもあるだろう。しかし若年層からの得票が多いことが示すのは、彼らの抱く「閉塞感」がのっぴきならない所に来ている、ということだ。 だが、その出口を示す候補はおらず、タモガミの極右的な言動にカタルシスを求めてしまうのだろう。
この傾向は、今後いっそうひどくなる可能性が高い。たとえアベノミクスが成功したとしてもだ。
ふと思ったのだが、都知事選というのは「後継指名」がほとんど失敗している。石原ー猪瀬がつながったかと思えば、今回のようなことになった。石原はヤケになったかのように、勝ち目のないタモガミを応援した。そこそこ得票で来たことは、あの男のちんけなプライドを慰めたことだろう。そういえば、青島幸男が後継指名したのは、あの鳩山邦夫だったっけ……