弔辞
あなたが志半ばに亡くなったこと、その志がどの程度のものだったかはさておき、非常に残念であり、イチ日本国民として悲しみに耐えません。国家のためを想うならば、生きて裁かれるべきだったと考えるからです。
あなたは努力するのが上手な人でした。
その場で音高く足踏みをして汗をかき、進歩どころか後退していても「最大限努力している!」と喚く人でした。
あなたは己の欲望に忠実な人でした。
大人であれば恥ずかしくてできないことを平気でやってのけ、それをまったく恥とは感じない人でした。
あなたは無知な人でした。
しかしその無知を指摘されると、指摘した相手が悪いと決めつける人でした。
あなたは妻を愛する人でした。
妻を守るために公文書を改竄させ、そのために人が死んでも何ら気に留めない人でした。
あなたは友人を大切にする人でした。
友人のためならそれ以外の人達に損失を与えるのが当然と信じる人でした。
あなたは祖父を尊敬するひとでした。
祖父の負の遺産すらも尊ぶ人でした。
そんなあなたを少なからぬ人達が支持しました。
見せ金をちらつかされて、それに引き寄せられたのかもしれません。
海上に投棄される飛翔体に恐れを抱いたのかもしれません。
理由は人それぞれでしょう。
しかしそれは間違っていた、と多くの人が気づいていると期待します。
終りに、そんなあなたへ、あなたが嫌ったであろう碑文を送ります。
安らかに眠ってください
過ちは繰返しませぬから