役に立たないなりのやり方があるということなのか

天皇こそ役に立たないんだから心置きなく静養に行けばいいと思うんだが。 - 誰かの妄想・はてな版

 

 上掲ブログのエントリーに非常に興味を惹かされた。

 なんだかジョークのネタにでもなりそうな話である。

 

あるうららかな日、あべぴょんは大好きなゴルフをしていた。

「首相、GDPの下げがとまりません!」

「経済のことは財務省にまかせてあるから」

あべぴょんはゴルフを続けた。

「首相、中東で日本人が捕虜になりました!」

「自己責任でしょ」

あべぴょんはゴルフを続けた。

「首相、天皇陛下がため息をつきました!」

あべぴょんはゴルフをやめた。

 

 うーん、今ひとつふたつみっつ……我ながらこういうことにセンスがない。

 

 さて、このエントリーを読んでふと思い出したのが、江戸時代の光格天皇のことである。

 この天皇は「尊号一件」など幕府といろいろやりあっているが、最後に幕府に対して明確な意志を示したのが「譲位」という形であった。

 なんで天皇をやめることが幕府への意思表示になるかというと、この当時天皇の退位とその後継について、幕府にお伺いをたてるのが当たり前のことになっていたのだ。

 それを「自分の意志によって」譲位するという形で、幕府に反抗してみせたのである。まあ、それくらいしかできなかった、ということでもあるが。

 この時代、天皇というものはまったく政治に関与することができず、「鶴こうがい亀べっこうの顰みあり 用に立たない君は千代まで」などと歌われるほどだったが、光格天皇は自分の意志で「やめる」ことで存在を示すということをしたわけだ。

 以後、天皇の在位中の譲位はなく、これが最後の例となった。

 今回、ご静養を「やめた」のが今上へーかの意志かどうかはわからないが、上記のエントリーに関連してふと思い出した次第。

 なお、現天皇はこの光格天皇からのつながりとなっている。

 

 まあ今回、天皇にその「意志」はなかったと思うが、もしあべぴょんが推測通りの反応をしたとしたのなら、あまりよろしいことではないと考える。

 

【追記】

安倍首相、休養切り上げ 公明・山口代表「非難にあたらない」、民主・海江田代表「びっくりした」 - MSN産経ニュース

> 21日は、宮内庁天皇、皇后両陛下が22日から予定されていた静養を取りやめられたとの発表があった。首相が別荘を出発したのはその後だった。

 

 産経の記事にもその指摘があった。

 ほぼ確定か。