とか言って「痛み」を先送りしているのはどっちだ


将来を見据えた着実な年金抑制が必要だ :日本経済新聞

 年金の一元化と税化は、日経さんお得意の表現を借りれば「待ったなし」だったはずだ。

 それに待ったをかけることをしておいて、なにが「着実」なのか。日経さんの辞書で「着実」という語をひくと、「綱渡り」とでも書かれているのではないか。

 庶民の側に「痛み」を押し付けることは、政府の「痛み」を先送りするだけだ。

 

 ついでなので、常々疑問に感じていることをメモしておく。

 確か、81年か2年かのことだったと思うが、朝日ジャーナルに「このままでは年金が崩壊する」という内容の論文が掲載された。当時、人口の減少など影もなかったが、それでもこのままいくとシステムの破綻は避けられないということだった。

 保守派論客は「左翼の戯言」と一笑に付す態度だったが、大蔵省(当時)はそのころから大型間接税の必要性が熱を持って語られるようになり、中曽根が代弁者のようにしてそれを口にするようになった。

 紆余曲折あって消費税が導入されたわけだが、これは元々将来の年金の税化を目論んでのものだったのではないのか?……という疑いを私は抱いている。

 消費税導入前夜、ニュースステーションで一般人と大蔵省の役人との対論を見た時、どうも奥歯に物が挟まっているというか、役人側が大事なことをはずすようにしている感があった。国家公務員としては、年金の崩壊などおくびにも出せないだろう。

 これは個人的な疑念の範囲を出ないことではあるが、どうも財務省の思惑から大きく外れたことが起こっている気がしてならない。

 

 

朝日ジャーナルの時代 1959‐1992

朝日ジャーナルの時代 1959‐1992