鶏が先か卵が先か

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政府の役割は企業が継続的に賃金を上げていける環境づくりだ。企業が利益を生む力を高めなければ賃金の上昇はおぼつかない。 

 

 こういう「鶏が先か卵が先か」みたいな社説をどうどうと載せられる日経さんには、本当に驚かされる。

 たぶんご自分では「企業優先が当たり前だろ」と書いたおつもりなのだろうが……

 

 政府による賃金引き上げは戦前にも行われているが、結局は格差の拡大を助長することにしかならなかった。それは引き上げのふりをした「統制」でしかなかったからだ。この「統制」のやり方は、戦後に至っても残存していた。

 一方で政府は、企業側が数多の労働者を文字通り使い捨てにすることについて、見て見ぬ振りをしていた。いや、企業側も使い捨ての労働者を集めてくる業者について、見て見ぬ振りをしていた。

 このような状況を改善することなしに賃金をどういじろうが、結局は日本経済を沈下させていくだけだった。(ただし、都市部の富裕層を除く)

 

 今回の最低賃金引き上げは、とりあえず良いことだと思う。

 しかし、前轍を踏まないためにも、それが隅々に行き渡るように心がけることが大切だ。

 

東京新聞:「残業代ゼロ」成立断念 次期国会へ法案先送り:政治(TOKYO Web)

 

 まずは、上掲の法案が永遠に先送りされることが必要であると思う。