日経さんは以前からとっても「公正中立」だったようだ
すでにそこいらで言われていることと思うが、2020年までに最低賃金1000円をめざす、というのは「一億総活躍」ではなく元は民主党の政策である。
2010年当時民主党の新成長戦略として、最低賃金を800円とし、2020年までの出来るだけ早い時期に全国平均1000円をめざす、としている。
これに対して日経さんは社説(2010年6月20日「疑問多い一律の最低賃金」)において
人件費が急に増えて企業の経営が悪化し、雇用が減っては本末転倒だ。政府の目標にはそうした心配がある。
と注文を付けている。
今回の社説も似たようなニュアンスはあるが、
何より肝心なのは企業自身の経営努力だ。低賃金の労働力に頼らずに、利益を生める力をつけなくてはならない。
ということも書いている。ややマシになったか?
しかし、ここでちょっとひっかかることがある。民主党政権下と自民党政権での態度がちがうんじゃないか、ということだ。
そこでさらにさかのぼって社説を見てみると、2009年7月29日の社説「最低賃金上げへ不断の努力を」というのがある。そこで日経さんはこう言っているのだ。
最低賃金の引き上げは働く人の意欲を引き出し、生産性を向上させる効果があり、日本の活力を高めることにもつながる。世界同時不況の影響で今年は小休止した形だが、経営者や政府は改定に引き続き努力してほしい。
上記社説を書いた時、日本はまだ自民党政権だった。この社説の一ヶ月後に政権交代となっている。
今回図らずも自民が民主と似たような政策を出してきたことで、日経さんの「公正中立ぶり」がわかりやすい形で明らかとなったわけだが、前々から分かっていたこととはいえ、なんだかげんなりさせられることではある。