塩でも舐めて落ち着け

 少し落ち着いてきたが、まだまだ息の荒い日経さんである。

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 格差を暗黙の了解とし、常に富裕層に味方してきた日経さんとしては、非エスタブリッシュメントの支持を得た大統領の登場は許容しがたいものを感じる、というところか。

 ただし、トランプ自身が富裕層であり、公約も富裕層を利するものが多かったりするのは確かだ。早晩、支持者たちは幻滅を覚えることだろう。その時トランプは、日経さんや一部リベラルが期待する通り方向転換するか、何らかの「騒動」を起こしてゴマかすかすることになる。まあ、後者の方が確率が高いだろうな。

 

 グローバリズムのゴマかしは、経済のハードルだけ下げると、相対的に政治的な壁は強化されるというところにある。格差はそうして広がっていくのだ。それらは同時に引き下げられなくてはならない。最低でもEU以上に。

 私はTPPについて、「もし環太平洋共同体への橋頭堡となるなら賛成だ」ということも書いてきた。実際そうした動きは1ミクロンもなかったわけで、そんなゴマかしに賛成できようはずもない。

 

 貧困層を救うのは、グローバリズムでもなければ保護主義でもない。消費者の購買力の復活には、政治と経済の緊密な連携こそが必要なので、経済だけをちょこちょこいじればいいというものではない。

 

変化から取り残された人々の自助能力を高め、教育などの機会均等を確実にする。そうした政策に注力することで、中間層の厚みを増していくのが王道ではないか。

 

 また「王道」か。

 日経さんは他人任せな考えについて、そう呼ぶのがお好きなようだ。

 「自助能力」などと、上から目線の単語をまことしやかに使って恥じないのは、日本がとっくにアメリカの先を行く「変化」にさらされている、ということに無自覚な証拠だろう。

 まあ、トランプを「信頼できる」とぬかした恥さらしを「信じている」日経さんは、自分のおつむの「自浄能力」が必要なんじゃないのかね。