細野議員と同レベルの日経さんによる「残業手当よ消えてなくなれ」という呪い
また何やらぶつ切りの流れの悪い社説である。
で、せっかくなので、こちらの佐々木氏の記事を参考にしてみたい。
細野なんとかとかいう「腐ったみかん」のような議員がブログで垂れ流す寝言に対し、やさしく的確なツッコミが入れられている。
そして、日経さんも御多分に洩れず、この細野なんとかと同レベルのことを社説で書いている。
まず日経さん。
もともと制度の適用にあたっては本人の同意を必要とすることとしている。過重労働を防ぐ対策を強める妥当な修正といえる。
で、細野なんとか。
本人の意思が尊重されることです。政府案が修正され、高プロ適用時に本人の同意を得るだけではなく、離脱の意思表示もできることが明確になりました。
それに対する佐々木氏のツッコミ。
労働法の世界における労働者の同意ほど弱々しい「歯止め」はありません。
まさにその通りで、それがきちんと通るようなら労組はいらない、てなもんである。経営者側の善意を期待するような制度など、悪質な言い訳に使われるだけである。佐々木氏は「ないよりはあった方がいい」とおっしゃるが、私はなくても変わらんし、いっそない方がいいとすら思う。
さらに日経さんは語る。
健康確保をめぐっては、政府が労働組合の意見を受け入れ、対策を補強してきた経緯がある。
連合が昨年要請した年104日以上の休日取得の義務付けなどを全面的に法案は採り入れている。健康を守る一定の対策は講じられているとみてもいいのではないか。各企業も労使が話し合って健康確保策を充実させるべきだ。
そして細野なんとか
厳格な健康確保措置の導入や、年間104日の休日確保の義務化など、裁量労働制にはない措置が導入されたのは、当然だと思います。
それに対する佐々木氏の指摘。
次に、「厳格な健康確保措置」とありますが、そんなものはありません。
健康確保措置としては、以下の4つがあります。
- 勤務間インターバル制度と深夜労働の回数制限制度の導入
- 労働時間を1ヵ月又は3ヵ月の期間で一定時間内とする
- 1年に1回以上継続した2週間の休日を与える
- 時間外労働が80時間を超えたら健康診断を実施する
(※なお、法案では「労働時間」という言葉は使われず「健康管理時間」という言葉を使っています)
しかし、これら全てをとる必要はなく、この中から1個選べばいいという制度です。
まぁ、4を選ぶ企業が続出するでしょう。
さらに「年間104日の休日確保の義務化」を持ち上げていますが、これは祝日と盆暮れ正月休みを一切ない前提の週休2日というものですので、それほどのものではありません。
日経さんはそれ以外にもあれこれ書いているが、ほとんど具体性を欠いた「お題目」の繰り返しである。
この制度は先進諸国で見劣りのする日本の労働生産性を引き上げる意義がある。
成果重視の新制度は企業の国際競争力の向上に役立つ。
個人が自分の能力を磨き、労働市場での価値を高めることにもつながる。
アホか。全てが逆である。労働生産性とやらを高めたいなら、労働時間を短縮するために残業手当を手厚くするようにした方がいい。 また、その前提として、元となる最低賃金を少なくとも倍にすべきである。
成果重視などと言いつつ、その成果の基準を経営者側だけが握っているなら、それは重視でもなんでもない。
自分の能力を磨き高められる個人なら、企業に属する必要などないし、それは「労働」ではなく「仕事」であり、労働市場での価値など無意味である。
繰り返すが、「仕事」と「労働」は別物なのだ。
そして、日経さんは「脱時間給」という言葉を、呪いのように何度も何度も繰り返す。
これは要するに「残業手当なんかなくなってしまえ」という呪いである。
四文字熟語っぽくすることで、意図を隠せるとお考えのようだ。