口先では促すけれど机の下で足を引っ張る
その昔、ボーナスの時期になると、中小の社長は銀行へ頭を下げにいった。社員に払うボーナスをなんとかするためである。
現在そんなことをすれば、「融資を引き上げられそうで、恐くて出来ない」そうだ。
そのくせ、どんなに日銀が緩和をしても、銀行は蛇口を緩めることなく、金はブタ積みされて行く。
中小企業が原材料高などを製品価格に転嫁できるよう、政府は中小企業と取引のある大手企業に配慮を求めた。だが企業が収益を上げて賃金の原資を増やすには、競争力を高めることが本筋だ。
「競争力」を高めることが本筋?
その競争とやらは、どこまで競えばいいのか。負けた方はどうすればいいのか。働いて賃金をもらう側にすれば、そんなことより明日のおまんまをどうするか、という方が重要だ。腹減っては戦が出来ぬ。
きっと日銀さんの頭の中で、「中小企業」で働く人々は、「餌をやらなくても走る続ける馬」だったり、「砂漠でも実をつけるリンゴ」だったりするのだろう。
何もかもあやふやな中で、賃金上昇というニンジンはどんどん遠ざかって行く。
賃金上昇を「起点」と語るくせに、そこに前提条件を付けたら台無しだ。
そして、
国の職業紹介の民間開放を進めて転職しやすくするなど、政府は労働市場改革に本気で取り組むときだ。
賃金上昇の話がなんでこうなるのか。
日経さんは本当のところ、中小企業や非正規の賃金上昇など考えたくもないのではないか。