ステルスなポピュリズム
Women's March on Washington 2017 (FULL EVENT) | ABC News
トランプが就任するや、アンチのうねりが凄まじい勢いである。
このままトランプを辞任に追い込んでくれ、というのが日経さんの一縷の望みであろう。
そうすれば後任がTPPを復活してくれるかもしれないからだ。
だがしかし、そうは上手くいかないだろう。
トランプ自身、こうしたデモを屁とも思っていないだろうからだ。彼は表に現れないステルスな支持者によって大統領になったのであり、たとえ支持率が史上最低だろうがまったく痛痒を覚えないはずだ。そして、それは表向きにも40%は存在する支持者たちもまた同様である。
だいたいアメリカの大統領は、自分でやめるか死ぬかしない限り、引き摺り下ろすのは至難の技だ。
それに、これはアンチ・トランプの人間があまり語りたがらないことだが、現在は上下両院でも共和党が過半数だということを忘れてはならない。共和党とトランプは不仲とされるが、一致する部分も多い。確実に民主党以上に。トランプが議会の操縦を過つことも、また期待薄なのだ。
少なくともあと4年は、あの古くなったラードを頭に乗っけたようなおっさんに、おつき合いする覚悟を求められるということだ。
自分たちの生活が脅かされる。英国のEU離脱もトランプ政権の誕生も、人々のそんな不安感によって起きた現象だ。今年は欧州でフランス大統領選など重要な選挙が相次ぐ。ポピュリズム(大衆迎合主義)的な風潮にどうすれば待ったをかけられるか。
それはまず、自分の頭の上のハエを追うべきでは?
一昨年にこういうエントリーを書いたが、
日本がとっくにポピュリズムに陥っていることについて、どこまで目をそらそうとするのだろう?
それとも日本のポピュリズムのステルス機能は、自国のマスメディアにのみ働くのだろうか?
日本ができる最大の貢献は、トランプ政権に同盟の価値を再確認させ、それをより大きな枠組みに広げることだ。安倍首相の役割は極めて重大である。
黄金のドライバーを送ってニコニコ握手して帰った途端、TPP離脱を言われた「悲劇」を、もう一度「喜劇」として繰り返させたいのだろうか?
そういえばあの会談、セッティングは悪名高き統一協会だったそうじゃないか。
まあ、あべぴょんが話した内容ってのは、「改憲したいから協力してね」とお願いして内諾を得た、という程度だったんじゃないかと推測できる。
このあとアメリカ政治に起こりそうなことは、日本の現ポピュリズム政権を見ていれば予見できるだろう。
「悲劇」も「喜劇」もさらに拡大されて繰り返されるという、ハリウッドもひっくり返るような事態となるに違いない。