ライオンは寝ぼけている
JPX日本取引所グループというのは、アベノミクスの「緩和」の流れに乗るような形で出来てきた。東証と大証を経営統合して発足したわけだが、その際に監査する機関も必要だ、ということで「自主規制法人」というスリーピングボードをしつらえた。長らく「仕事するフリをするのが仕事」のように揶揄されていたが……
おそらくLCAHDのことじゃないかと思うが、速やかだったか?あれ。
ともあれ、やっと仕事するようになってきたかな、と思ったところでコレである。
問題は、制度の運用が大企業を優遇していると疑われかねないことだ。
疑われかねないって、とっくにそう思ってるよ、みんな。
日経さんだって、そうでしょ?
とは言え、その責任を全部自主規制法人という間の抜けた名前の部署に押し付けるのは、ちょっと筋が違うのではないか。
だいたい、アベノミクスとやらで株式市場を「ゆるゆる」にしたことが、市場からスクラップ&ビルドの機能を奪っているからだ。
アベノミクスに批判的な人ですら「金融緩和は成功」と物分かりのいいようなことを口にするが、年数が経ってぶよぶよになった市場は腐敗し、そこら中にウジが湧いている有様である。
そんなところへ個人投資家を呼び込もうとか、晴れ着で肥溜めに飛び込ませるようなものだ。
あべぴょんのやっていることは、一事が万事引き締めた手綱を緩めることであり、JPXへの統合もその流れに乗ったものだ。
よく新自由主義者(日経さんも含む)が「格差の何が悪いの?」というようなことを口にするが、その答えとして「バカが増える」に加えて「富裕層が腐敗する」を挙げることもできるだろう。