不健全になされる「健全化」というものもあるが


財政健全化は堅めの想定で最適解を探れ :日本経済新聞

 

 昨日のエントリー

で、日経さんは例によって「財政再建のために高齢者福祉を削れ」とかいっているわけだ。

 こんなものは、批判でも何でもない。 

 

昨今批判めいたことを書くときは、あべぴょんの名前を一切出さないようにしているようだ。たいした「公正中立」ぶりである。 

 

 と書いたら、なんだかお返しのような社説が出てきた。

 ネタで「ご愛読ありがとうございます」と言ったことはあるが、そんなことはないだろう。たまたまとはいえ、ちょっと気持ちが悪い。

 まあ、それにしても、褒めるような部分の主語は「安倍首相」になってても、批判する部分は「政府」になっているから、同じようなものである。

 

 さて、本題の方だが……

財政再建の手段は、経済成長による税収増、歳出削減増税という3つしかない。魔法のつえは存在しない。 

  わざとかどうか知らないが、「人為的にインフレを起こす」というのが書かれていない。

 それは「税収増」に含まれるのかもしれないが、現代においてイメージされる「インフレ」というのは「魔法のつえ」のほうに入るだろう。

 確かハルヒコ氏は、国債の格付けが下げられたとき、格付け会社への抗議文書に英国の例を引いていたと思う。英国の国債はGNP(当時)比で2.5倍までになったが、破綻することなく回復した云々。

 英国が何もしなかったわけではないが、その回復は主にインフレという「魔法のつえ」のおかげだ。

 アベノミクス(現在何をやってるのかわからないが)のうち、世評の高い異次元緩和は、景気回復のためになされている、と一般には考えられている。

 インフレには目標値が設定されているが、それが景気回復のためというより、財政再建のためであったとしたら、危ういことになるのではないか。

 ドイツは2015年に赤字国債を0にしたが、それは他のEU諸国を踏み台にしてのことである。それ以前はマーシャル・プランのおかげであり、さらにその前は……

 1922年、ドイツの赤字が一瞬消えた。その次の年、荷車でマルクを運ぶ、あのハイパーインフレがやってきたのだ。

 

 異次元緩和がハイパーインフレをもたらすとは考えていない。それはこのブログでも再三書いてきた。

 しかし、それが財政緊縮を伴うのなら、可能性がないではない。

 論点が散らかるのでこれ以上は書かないが、日経さん、ほんとは嫌いなんでしょ?アベノミクス(笑)

 

 

ハイパーインフレの悪夢

ハイパーインフレの悪夢