エリートはいつバカになるのか

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 せっかく卒業しても立憲主義すらよくわからない人間を排出、じゃなかった輩出する東京大学法学部をつぶしたらいいんじゃないのかな。

 まずはそこからだ。

 

 まあなんにしろ、昨今耳にする「エリート」の劣化ぶりはひどい。開いた口にツバメが巣を作りそうなくらいだ。

 エリートというのは論理的・科学的思考において一般より秀でている存在のはずだが、それが愚にもつかぬ歴史修正主義にはまりこんだり、馬鹿げた愛国心を声高にしたり、差別主義を肯定したり、およそらしからぬ反知性的言動をしながら恬として恥じない。

 彼らを見ていて気づく共通項がある。

 それは孤独に弱いということだ。

 エリートの資質としての、「よく孤独感に耐えうる」ということは、昨今あまり口にされなくなった。

 歴史修正主義愛国心や差別主義を口にすれば、孤独はたやすく癒すことができる。しかも、もっともらしい口調で、それなりの社会的立場から語るなら、多くの賛仰の声を浴びてプライドを満足させることもできる。

 

 こうしたことはドラッグによく似ている。

 ドラッグ患者が薬に手を出すきっかけは、つまるところ孤独によるところが多いときく。

 しかし、エリートの抱える孤独は、自身の能力の優秀性から発するものであり、本来なら甘んじて受け容れるべきものである。

 それができないものが、愛国心などなどの甘やかなドラッグを口にするのだろう。

 

 孤独が独善におちいらないか、という懼れはまた別の問題なので、ここでは語らない。

 

 

挫折のエリート (角川文庫 緑 365-26)

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