「どんなに悲鳴が上がっても悲鳴が外に漏れなければ何もなかったことになる」ということ

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県民に丁寧に説明して理解を得ていく努力が重要になる。 

 

 現政権は「説明」など全くするつもりはないだろう。

 今回の勝利で自民党が得たのは、「情報さえ統制すれば、何があろうと何事もなく粛々と進めることができる、それは沖縄でも例外ではない」という強い自信である。

 自民党候補に投票した人たちが必ずしも基地移転に賛成ではない、ということは確かだ。

 しかし、その「悲鳴」は今後いっさい外に漏れてこない、というか、漏らさぬように気をつけることだろう。

 たとえ漏れても、それは他の雑音でかき消されるようにする。

 今後沖縄がどうなろうと、本土の人間は心やすらかに暮らせるようになってめでたしめでたし、という結末がやってくるわけだ。

 そのために「特定秘密」だの「共謀罪」だのというギミックも揃っている。

 市長が政権側に立つことで、これまでわずかに漏れ出ていた悲鳴の出口は、ぴったりと閉ざされるだろう。

 

 まだ知事選があるわけだが、この勝利で手応えを得た政権側は、さらにスケールアップした戦略を立ててくるはずである。

 「もう説明などする必要はない」と「説明」することで、それは完成される。

 沖縄の悲鳴の一切を封じ込めるまで、現政権はそうした「説明」ばかりするようになる。

 そしてそれは、日本全体の将来の姿でもあるのだ。

 

 

静かな悲鳴

静かな悲鳴