屁っ放り腰で偉そうに現状肯定する日経さん
例によって、日経さんの屁っ放り腰社説である。若き日の間寛平の芸が思い出されるほどの。
「信頼」などというもの、財務省はハナからあてにはしておるまい。
それをわざわざ言い立て、庶民の方から財務省を「信頼」する「下から目線」を際立たせて見せるのが、日経さんの「卑屈芸」とでも呼ぶべき十八番である。
官僚として守るべき「吏道」に反してまで、そうした行為に及んだ背景に何があったのか、なお解明が求められる。
「吏道」?
変換候補にも上がってこないこの単語、どれだけの官僚が守っているのか知らないが、もし本当に存在するなら、今頃財務省の半分は辞職するか自殺しているだろう。
背景に何があったかなんか、幼児にもわかるような絵図に「解明が求められる」などとは笑止という他ない。
これで財務省は大阪地検に巨大な「借り」ができたわけで、そのことの方が今後財務省を苦しめるだろう。
それは、財務省が現政権と一体化していても、なお返しがたいほど巨きな金額である。
財務省が信頼を得てきた最大の理由は、一政治家・一政党・一政権のためでなく、この国の将来、国益を考えている集団だと受けとめられてきたからだ。そこには高いモラルと一身をなげうつ覚悟を持った官僚がいたはずである。
前回の政権交代から今回の件に至って、より明瞭になったのは財務省がいかに自民党と一体化しているか、ということである。それは財務省に限らず、官僚全般に言えることだろう。
いわゆる「政・官・業」の癒着の「政」の部分は、「自民党」しかありえず、この三角の癒着から多大な利益を得る「官」は、「自民党」を全力で守るのだ。
「吏道」なんぞというのは、上級が下級を縛るための言い草でしかあるまい。
すでに続投を「決断」しているので、日経さんはそれを尊重するのだろう。鼻をかむほどの価値すらない社説である。