春はまだ遠い
あきれるほど何も言ってない社説である。空欄にしておいたほうがマシなくらいだ。
原油の大半を中東に頼る日本は混乱を座視するわけにはいかない。
あべぴょんは座視するだろう。無思慮に金をばらまいたり、威勢のいいことを口にするだろうが、それらの目的は国内に好戦的気分を盛り上げるためのもので、決して中東の事態を考えてのことではない。
日経さんの社説はそうした「気分」を煽るだけで、何一つ冷静なことを言っていない。
アラブの春について、これほどまで混乱が続くのはなぜか。
イランで革命が起きたときは、もう少しまとまっていた。
イラン政府は現在も分裂することなく継続し、今や民主的に選ばれた穏健派の大統領が、アメリカと原子力開発について話し合うようになっている。
ホメイニのことをただの狂人ではなく、「ロベスピエールとナポレオンが合わさったもの」と評したイスラム学者がいた。一時だけでも、ああしたカリスマ的指導者が必要だったのだろうか?
それとも、あまり知られていないことだが、イラン革命を支えた民主活動家の多くはトロツキストの流れを汲んでいた。それが反米の流れに棹さした部分も否定できないが、イスラム以外のイデオロギーが組み込まれているべきだったのだろうか?
解決のヒントはイラン革命の「成功」にあると考えるが、それは言ってはいけないことになっているのか。アメリカに配慮して。
ホメイニ師の賓客〈上〉―イラン米大使館占拠事件と果てなき相克
- 作者: マークボウデン,Mark Bowden,伏見威蕃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
ホメイニ師の賓客〈下〉―イラン米大使館占拠事件と果てなき相克
- 作者: マークボウデン,Mark Bowden,伏見威蕃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (10件) を見る