大日本帝国の正当な後継者として
前々からひっかかっていたのだが、テロにわざわざ「卑劣」という枕詞をつけるのはどういうものか。卑劣でない正当なテロがある、と言外に示しておきたいのか。テロは例外なく卑劣だ。それは大日本帝国の皇軍なるものがやらかした諸々を見てもわかる。
以前、イスラム原理主義と戦前の日本の共通性について、二つのエントリーを書いた。
戦前の大日本帝国の「卑劣」さは、IS(他に呼び名はないものかと思うが、これで定着しつつあるようだ)へと立派に受け継がれている。
卑劣な人間は狂気によって理性を蹂躙する。
そうして相手に理不尽な打撃を与えることが、己の劣等から目を背ける手段となるからだ。
皇軍による三光とかと特攻はまったく通底している。それに気づかないのは、現代の日本もまた大日本帝国の「卑劣」を引き継いでいるからだろう。
今回のテロについて、人々がどのような感想を持つか知らないが、テロに対して嫌悪感を覚えたなら、戦前の日本も同様の感情を抱かれていたのだ、と自覚すべきである。
しかし、多くの「卑劣」な人々は、きっと「これで集団的自衛権が正しいことが証明された!」などと騒ぐことだろう。
悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷 (岩波新書 新赤版 (982))
- 作者: 森達也
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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