健全な通貨ってなんだ
じゃあ、健全な通貨ってなんだ。
鼻先に突きつけて「臭わんぞ?」と言いたくとも、実体がないのでそれもかなわない。
しかしまあ、通貨発行の自由化は新自由主義者の理想、ハイエクの夢なので、この流れを寿ぐ人は多いだろう。
とかく経済学というものはイデオロギー・フリーでいたがる。
だが、その元となる「通貨」には、はっきりと「国家」が刻印されており、通貨の発行は国家にのみ許された特権となっている。(FRBがどうしたとかいう話には関わりたくない)
経済成長を始め、あらゆる経済学は「国家」の存在を前提として語られる。
それでいて「経済学からイデオロギーをなくそう」なんてのは、トマティーナの日にドレスを着て歩くよりも無謀だ。
もしもこの新しい「通貨」が、国家の手を離れるなら、健全などでいられることはないだろう。健全か健全でないか、などということがすでにしてイデオロギーだからだ。