喧嘩上等というやつ

 脳みそは単純なくせに、喧嘩となるとやたら駆け引きが上手い、というやつがいる。肉体言語にものを言わせるという局面になくても、ごたごたが起きた時にどう振る舞えば自分の利益になるか、直感でわしづかみにしてしまう類の人間だ。

 ドゥテルテがそうだ、とはまだ断言しづらいが、現時点での外交においては、あべぴょんのチューゴクホーイモーとかいう幼稚極まる妄想を何倍も上回っていると言えよう。

 

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 日経さんも随分混乱した書きぶりである。何をどう書いてどのように評価したらいいかわからないらしく、しまいには

 

安倍首相があらたに大型巡視船2隻の供与を表明したのは、その一環として評価できる。両国政府はまた、海上自衛隊の練習機「TC90」をフィリピンに貸し出す文書をかわした。人材の育成などソフト面もふくめて、日本は協力を積み上げていくべきだ。 

 

 などとして、「評価できる」とか言い出している。

 ケツをかこうとして逆にかかされてる、とはお上品な日経さんには思いもよらないのだろう。 

 こういう輩が出てきた時に気をつけなくてはならないのは、うっかり相手にヒキダシ(軍備)を渡さないということだ。

 幸運なことに、フィリピンの軍事力はまだそれほどでもない。しかし、ドゥテルテが軍備増強に走り出したら、何がどうなるか予測がつかないだろう。

 どうせ中国と衝突するだけだ、などと楽観視できないのは、今度のごたごたで十分にわかったはずだ。その時々の情勢次第で、ムコ先考えずにでもぶっ放すのが、こういうドゥテルテのような人間なのである。

 

 さて、右翼の皆さんはこのドゥテルテに、図らずも親近感を抱いてしまっていることだろう。こういう「喧嘩師」は右翼の感性にぴったりくるはずだ。

 で、翻って我が首相を見てどう思われるか。所詮世襲の三代目なんぞ、百万回逆立ちしても同じ芸当はできないのだ。

 こういうヤクネタにはなるべく関わらないのがいいのだが、距離を置きつつ状況を操作する、などというテクはあべぴょんにはあるまい。

 裏で中国とも手を繋いでおく、という具合に保険をかけられるようならいいんだがね。