実はみんなわかっているのだ「左が正しく右が間違っている」ということを
ネットを回遊していると、「ネトウヨ」という単語にちょくちょく出くわす。ネットで右翼的言説を主にする人たちに対する呼称で、おおよそは侮蔑的な文脈で語られる。そう呼ばれた方は「俺は中道だ」「私はただ日本が好きなだけの普通の日本人だ」などという。
しかし、もし「ネトウヨ」なるものが常に正しいことを言っているなら、たとえ侮蔑的な文脈で語られるとも、なんら恥じることはないだろう。対して「ブサヨ」という左翼に対する侮蔑的な言葉もあるが、そう呼ばれて「俺は中道だ」云々と言い返すのは、ほとんど見たことがない。
こうした非対称性は、実はみんな右翼的な言説が「間違っている」、という認識を薄々共有しているからこそ起こる現象であろう。
そんなわけで、人気取りには左翼的な、リベラルっぽいとされる言説の方が効果がある、ので社説のような事態になった。
日経さんは「無責任」と詰るわけだが、どうせ人気取りだけで本気で取り組むとかノミのすね毛ほどにも思っちゃいないから安心するといい。日経さんが信じる安倍ぴょんが、口先だけ「女性が輝く社会」だの「同一労働同一賃金」だの騒ぎ立てるだけで、全力でその場で足踏みしているのを見ればわかるだろう。
そういえば「安倍政権は中道左派」などという評価も目にした。これなんかも「実は左が正しい」と考えている証左であろう。
それなのになんで右傾化してしまうのかというと、
みんな安っぽいドラマが好きだからだ。
クラス委員が正しいことを言うよりも、ワルが正しいことを口にした方が、そこにドラマが生まれて興奮するのである。そんな安いドラマが好きなくせに自分のことは「リアリスト」だと自称したがる。
ワルは所詮ワルでしかない、というリアリズムは、リアリストのお気に召さないのだ。