トランプにいたぶられる日経さん

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 大方の予想通り、まったく成果なく終わった日米首脳会談だった。

 「拉致問題」について念押ししたというが、あんな程度の約束では交渉の流れ次第でほったらかされてしまうだろう。

 それがFTAの条件だ、などというのはミドリガメのあぶくのように無視されて、交渉すると約束したことだけが動き出すことは目に見えている。

 日経さんはTPPについて一縷の望みを抱いていたようだが、

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 結果はご覧の通り。トランプの垂らした釣り糸に、まんまと引っかかった、というところか。

 4月14日付け社説では、

安倍晋三首相は17~18日、トランプ氏と米国で会談する。TPPの原則を曲げず、加盟国と米国が折り合える道はないか。その突破口を開く協議に期待したい。

 

 と鼻息荒くしていたが、今となっては、

 

 日米には、中国の知的財産権の侵害問題など協力して取り組める分野も多い。日本は自由貿易の重要性を米国に訴え、新協議を建設的なものにしてほしい。

 

 などと、やや哀願口調である。

 

 日経さんのようなハイレベルな経済を語る「高級紙」には、トランプのような下品と傲慢が服着て歩いているような人間に対し、どのように接したらいいのかわからないのだろう。

 トランプのような単純な人間は、単純だからこそ突き動かすことが難しい。だが、ツボをとらえれば大きく動かすことができる。

 トランプの行動原理として、アメリカ・ファーストの次に「反オバマ」がある。とにかく、オバマがやったことには何でもかんでも反逆したいのだ。

 そうしたトランプにとって、米朝交渉はオバマがあえて手をつけなかった「宿題」でもあり、成功させれば自分をバカにして今もオバマを懐かしむ連中の鼻を明かすことができる、かっこうの材料だ。

 オバマが極東情勢について「静観」したことの罪については以前にも触れたが、オバマはあくまで「政治家」であり、どんなに気に食わないやつであろうと民主的に選ばれたあべぴょんに対し、最低限尊重していたのが原因だろう。

 トランプは「ビジネスマン」なので、そんな民主的がどうしたとかは気にしない。むしろ独裁者相手の方が与しやすいし、民主主義的に選ばれようがどうしようが、邪魔なら排除するだけだ。

 だいたい、イランとの核合意をわやにしようというのと、朝鮮半島非核化はまったく整合性が取れていない。おそらく、日本の外務省もそれを読み違っていて、トランプは一緒に北朝鮮に圧力をかけてくれるはずだ、と信じきっていたのだろう。

 米朝交渉で朝鮮戦争終結させれば、歴史的成果となるし、何よりオバマを踏みつけにできる、という知恵を誰が授けたか知らないが、それがゴルフでずっこけるしか能がないあのバカでないことは確かだ。(やはり文在寅だろうか?だとしたら大したものだ)

 ちなみに、この歴史的交渉、まったく楽観できないという点については日経さんに同意する。最悪の不安定要因であるあべぴょんを排除できたことはいいが、最大の不安定要因がトランプ自身だからだ。このおっさんがいつヘソを曲げてもおかしくない、ということである。

 

 

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