揺らいだままの日本経済新聞への信頼
日本経済新聞は、途中数度の中断を挟んで、足掛け30年購読していた。(親父も取っていたので、付き合いだけならもっと長い)
「購読していた」と過去形になってしまうのは、ある時期に不信がつのってとるのをやめてしまったからだ。
ある時期、というのは、日経さんが「戦後最長の景気拡大」と喧伝していた「いざなみ景気」の頃である。
とにかく当時、日経さんは「景気がいい景気がいい」と騒いでいたが、あまりに実感とかけ離れていた。
日経さんへの信頼は、その時から揺らいだままである。
で、今度は厚労省の重要な統計がおかしかったという。
ごまかしはかなり以前の、完全には重ならないが「いざなみ景気」の辺りから始まっている。
日経さんへの不信感も、いくばくかはこの統計の不備がタネとなって醸成されたのかもしれない。
厚労省は昨年も、裁量労働制で働く人の労働時間調査の不備が表面化した。たがの緩みは深刻だ。自浄作用が働かなければ、重要統計の調査を総務省統計局に移管することも検討してはどうか。
ことが厚労省に関してであり、しかもあべぴょん政権よりずっと以前から、民主党政権をまたいでのことなので、日経さんも大安心で大雑把な提案をすることができる。
しかし、そうした統計について、なんら疑いを持たなかった「経済」新聞というのはいかがなものか。
「経済新聞」を名乗るからには、現実と乖離した数値に疑いを抱くことがあっていいし、そうしたことがカケラもできなかった自身への反省があって然るべきではないか。
私がもう一度日本経済新聞を購読する日は、当分やってこないようだ。
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