経営者には性善説、労働者には性悪説

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 労働者という連中は、目先の欲望のみ踊らされる、考えなしの反知性的な存在である。

 経営者というのは一種の聖人であって、欲望は大きく射程の長いものであり、常に社会について思考し続けている。

 

 …というのが日経さんの基本姿勢である。

 でなければ、こんな恥知らずの社説は書けないだろう。

 

 そのなかで企業に考えてほしいのが、非正規で働いていた人の処遇改善も確実に進められる限定正社員の導入だ。

 労働時間を「限定」したり、勤務地を限って転勤せずに済むようにしたりするこの雇用形態は女性の活用に役立つ。仕事と家庭の両立に悩む女性の就労を支援する。

 技能を持った高齢者の受け皿にもなる。企業は限定正社員制度を競争力向上に生かしてはどうか。

 

 「限定正社員」などと、さもさも良い思いつきのようにして書いているが、要するに労働者諸君は聖人君子たる経営者様さまが正しい道に導いてくださるのを期待しろ、というわけである。

 人間に欲望はつきものであり、資本主義は欲望抜きには成立し得ないと思うが、日経さんは無私無欲で成立する資本主義がどこかにあるとお考えのようだ。

 それは永久機関やフリーエネルギーのような、オカルトまがいのものに思えるのだが。

 

 

永久機関で語る現代物理学 (ちくまプリマーブックス (81))

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「首相が説明したら納得すべき」と閣議決定されそうだ

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 またも「説明」である。

日経さんの言う「説明」が何なのか、ぜひとも説明してもらいたいものだ。

 と先日のエントリーで皮肉ったが、要するに日経さん自身で調べる気もないし、解明することもないということである。なんか偉そうに書いているが、「ウチはやんないから、あべぴょんは安心してね」というわけで、やっぱり「信者」は言うことが巧妙だなと感心する。

 

 「説明」といえば公明党

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 こんな風にのたまっているわけで、なにやら苦言を呈するようなフリをしつつ、無為によって利するとか、はっきり擁護するよりタチが悪いな、と思う。

 

 あべぴょんとゆかいな仲間たちは、もう十分に「説明」したのでそれで納得しないほうがおかしい、くらいには考えているだろう。

 もっと碌でもないことを考えている可能性も高いが、まだここでは書かない。もっともっと碌でもないことだって、可能性が十二分にあるからだ。今回のタイトルとかね。

 

 

マンガでわかる! かならず伝わる説明の技術

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東芝につられて迷走する日経さんの社説

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 見るに堪えない? だから見ないフリしてるのか。

 とツッコミたくなるわけだが、大企業のお手本として褒めて讃えてきた手前、手の平をかえそうとしても少々後ろ髪が邪魔になる、といったところか。

 

15年に会計不祥事が発覚して以来、東芝は決算発表の遅延をくり返してきた。このため同社株式は信頼に足る財務情報に基づいた投資の判断ができず、今では投機の対象になってしまった。 

 

 今や株式市場全体が「投機の対象」だと思われるが、そのあたりは如何にお考えか。

 日経さんがそうなるように煽ってきたわけだが。

 

問われているのは一企業の決算ではなく、日本の株式市場の公正さだ。 

 

 いや、儲かりさえすれば「公正さ」なんかどうでもいい、というのが昨今の「空気」ではないか。経済的行為に倫理を持ち込むことを忌避するのも、日経さんのおみちびきによるものである。

 

 だいたい、東芝が大目に見られてるのは国策(原発)企業だからだ、というのが衆目の一致するところだが、日経さんがそこを「見ないフリ」するのはやはりアレか、今流行りの「忖度」というやつか。

 そのうち「東芝は国によって救済される」とでも「閣議決定」されるんじゃないか。というベタな冗談も実現しかねないのが、今の政府であるわけだが。

 

 

迷走

迷走

 

 

出口がないことに気づいたけれど認めたくはない

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 どうやらやっと、出口がないことに気づいたようである。

 しかしそれを認めると、これまで言ったり語ったりわめいたり大上段からしかりつけたりしたことと整合性がとれなくなるので、出口を探すようなフリだけはしているわけだ。日経さんとしては、財政健全化とあべぴょんへの信仰と、どちらをとるかという立場に追い込まれ、態度保留を決め込んでいるのだろう。

 

 アベノミクスによってあべぴょんが目指したところは、喧伝されているように日本に経済成長をトリモロスようなものではなく、消費税を抵抗なくアップさせることにあった。消費税を上げれば財政が健全化するだろうとの目論見から、日経さんはアベノミクスを諸手を挙げて賛成していたのである。

 でまあ、あてとフンドシは向こうから外れるというか、取らぬ狸の皮算用というか、まったく思惑通りにいかず、現状に至っているのである。

 すべては、「3本の矢」とかいうのがへろへろだったことに尽きる。

 何度も言うが、「アベノミクスの最大の障害は安倍晋三」なのだ。

 

 

パチプロ3本の矢 2002~2004ベスト

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実弾入りの銃を手に入れたお子様に「いいこと、絶対に人に向けて撃っちゃダメよ」とやさしくさとす日経さん

http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXKZO17790780W7A610C1EA1000/

(今回、スマホでかいているので、リンクが上手く貼れない)

日経さんの「おイタにめっ」な社説である。
くそがきが「ホンモノのピストルがほしいよううう」とダダをこねまくり、本当に実弾の入ったやつを手に入れてしまったわけだが、日経さんは「撃つときは気をつけるのよおお」とにこやかにさとすだけである。
がきにしてみれば「うっせーな、何を撃とうが俺の勝手だろ」なわけで、気に入らないやつらをこれで皆殺しだ、くらいのことは考えている。
こうした場合、正しい対処としては、有無を言わさずがきからピストルを取り上げることだと思うのだが。

日経さんは、どこまでこの政権を甘やかせば気がすむのか。株価が下がるまでか?

「ちゃんと話せばみんなわかってくれるわよお」な日経さん

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 また「説明」である。

 日経さんの言う「説明」が何なのか、ぜひとも説明してもらいたいものだ。

 あべぴょんは一方的に自分の言いたいことを垂れ流していれば、それが「説明」になると考えている。それへの反論は考えに入ってない。

 日経さんのお優しい物言いでは、「じゃあ、もっとたくさんたくさん一方的に自分の言いたいことを垂れ流せばいいね」としか受け取られない。

 さらには、

 

説明する責任がある。 

 

 「責任」があるんだそうだ。

 あべぴょんの「責任」とは、

 

・一文字で書ける

・「いや、責任をと、責任があるから、責任を、私の、私の責任を取ると、え、え、これ、中身についてはですね、中身については、あの、あえて申し上げる必要はないと思います」

 

 というものである。近い将来、「責任」とはこのように閣議決定されるだろう。

 

 先日経済政策についてお小言を言ったと思ったら、すぐお次はこの甘やかしぶりである。

 だいたい、共謀罪と加計問題をいっしょくたにして、「ちゃんと話せばみんなわかってくれるわよ」というのは、どういう了見なのか。

 マザコン息子をどこまでもあまやかす母親のように、あべぴょんをニコニコと温かく見守っている日経さんなのだった。

 

 

わたしのせいじゃない―せきにんについて (あなたへ6)

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「あえて二兎を追う」とか、最初から追うつもりがないのと同じ

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 高橋是清もリフレと同時に財政再建しようとして失敗している。

 軍への支出も痛かったのは確かだが、それを踏まえた上で「間接税」アップによる財政復活を目論んでいたのだ。(この時、直接税の増税も提案されたが、是清は「左翼を喜ばせるだけだ」という理由で却下している)とんだ皮算用だが、消費税であれなんであれ、間接税は財政再建に向かない、と日経さんは学ぶべきだろう。

 

 同時にこのような記事が上がり、

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 また先日の社説では、その名を上げずとも民主党を称揚していた。

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議定書を名古屋で採択した当時、日本政府にはこの分野でリーダー役を果たそうという気概があった。その初心を取り戻すときだ。 

 

 その当時の政権は、民主党だから。

 

 なんだろう、一連の騒動でアベ信者の某役員の発言力が弱まったのか?

 それとも「上つ方」がお怒りなのか?

 

増税や歳出削減も含む財政健全化を進めることが必要だ。それができなければいつか日本国の信用は失われ、手痛いしっぺ返しにあうだろう。 

 

 「しっぺ返し」とやらが選挙ではないことは確かだ。増税や歳出削減の方が、票を減らすからである。一体日経さんの言う「しっぺ」とは何だろうか?口先で恫喝とかなら、あべぴょんと同レベルだね。

 

安倍政権は、経済成長と財政再建の二兎(にと)を追うとしてきた。 

 

 だいたい、「二兎を追う者は一兎をも得ず」なんだから、あえて「二兎を追う」なら最初から「やるフリだけはしておくよ!」と高らかに宣言しているようなものだ。

 それを「信じたい」とか、どこまでお人好しなんだか。

 最初からあべぴょんが追っかけてるのはウサギではなく、「改憲」という名の幻獣ツチノコだけなのだから。

 

 

逃げろツチノコ

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