グール・ジャパン(笑)いよいよ誕生

 ゾンビ映画を1秒も観たことのない私だが、ゾンビとグールが似て非なるものであることは知っている。

 だが双方ともに「生きた死体」であり、「人を喰う」ところはほぼ同じである。

 で、いよいよ政府はゾンビとグールをごっちゃにして登場させるつもりのようだ。

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本来なら市場から退出すべき企業の延命に手を貸し、いわゆる「官製ゾンビ企業」をつくることはしないと言明した。

 

 こうした「言明」がまっっっっったくあてにならないのは、現政権を見ていればよくわかる。

 ゾンビは正体不明のウィルスが原因というパターンがあるようだが、この場合「あべぴょんウィルス(学名マイティ・フール)」とでも呼ぶべきものがパンデミックしている、という状況なのだろう。

 だいたい、「官製ゾンビ」とやらをこれから作ることをしなくても、すでにそこら中にうろついているではないか。

 例えば、クール・ジャパンというやつがある。

 その名を政府が謳い出した時、「グール・ジャパン」ともじって揶揄する声があったが、本当に「グール」になりつつある。

 やはり食べるのは人間、というか民の膏血、血税である。

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「事業は瀕死」クールジャパン機構を長崎企業連合が提訴:朝日新聞デジタル

 

 ただの話題作りと人気取り、「やってる感」をなすためにでっち上げられた事業はゾンビやグールと化し、「官民ファンド」でいよいよその勢力を増して、人々(税金)を食い散らかすというわけである。

 

 口先リフレで逆に財政緊縮している現政権は、目立つ事業で目くらましをかけているわけだが、所詮目くらましなのでたちまち立ち行かなくなり、死体となったあともうろつき回る。

 きちんと国民の福祉に資する形で財政出動していれば、こんなゾンビやらグールやらも生まれず、「官民ファンド」なんぞで餌をやる必要もなかったろうに。

 

東京喰種 トーキョーグール
 

 

じゃそれ、太陽光発電で

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 日経さんのことだから、必死になって原発の有用性を訴えているわけだが、結論にいたって笑ってしまった。

 

 長期的には大型発電所の電気を送電線で運ぶ現行の仕組みから、地域ごとに電気をつくり、その場で使う分散電源へ電力インフラを再構築する発想も大切だろう。 

 

 それ、原発に向いてないから。

 日経さんのいう「地域」はかなり広いのだろうが、分散電源という考え方はつまるところ個別の発電に行き着くものだ。

 要するに、太陽光発電でいいじゃん?ということである。

 商用と自家用の切り替えを簡単にする必要はあるが。

 日経さんの心配する送電線の増強も、個別に多くの家屋が太陽光を採用すれば、自然と解決するだろう。

 日経さんですら「よく考えてみるとこれからの発電は太陽光に頼らざるを得ない」ということになってくるわけだ。

 もはや原発という存在は、非経済的、非合理的なものなのである。

 

 

非合理の美学 (1954年)

非合理の美学 (1954年)

 

 

じゃ、税金の原点は?

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 なんか「原点」とか言ってるんだが、ふるさと納税のその前の段階が色々と機能不全を起こしてるんで、それをなんとか補おうというのが「原点」じゃなかったのか。

 だいたい近代政治の「税」の原点は、前近代のほぼカツアゲな形ではなく、世の中の「富」の過剰な偏りを防ぎ「再分配」すること、というのではなかったのか。

 それが最近はさっぱり機能していないので、あれやこれやと隠居の後知恵のように出されたやっつけ仕事の一つが「ふるさと納税」という制度だったとはずだ。

 地方自治体が必死になって返礼品を豪華にするのは、「再分配」という近代税制の目的がないがしろにされすぎていることの表れだろう。

 その点への反省なしに地方自治体へ文句を垂れても、本末が転倒してそのまんま起き上がらなくなってしまう。

 

 過度な返礼品以外にも、ふるさと納税には様々な批判がある。例えば富裕層に有利な点だ。所得が多い人ほど税金の控除額が増えるためだ。

 

 富裕層が有利とかいう以前の段階で、過剰な偏りがあるということになぜ気づかないのか。気づきたくないので目をそらしているのか。

 多少返礼を贅沢にしても、富裕層の有利より、地方へと税が流れる有利の方が大きいのだ。

 多額の税金を納めたものが、多くの返礼を受けたからといって、誰も問題にはするまい。税金をたくさん納めた分、目に見える形でお返しがあるのだから、富裕層の溜飲もわずかばかり下げられるだろう。

 

 そのくせ日経さんは消費税増税をせっつく。

 もういっそ消費税を全部地方税にしてはどうだろうか。

 せめて消費税の中の国税地方税の割合を逆転させられれば、たとえ消費税を増税しても、日本の経済は数年のうちに復活できるだろう。

 

カツアゲ丼

カツアゲ丼

 

 

 

ずっとやっていくためにはとっとと辞めさせたほうがいい

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 思った通り、喋れば喋るほどボロがでるあべぴょんだが、日経さんは慈母のごとく、いや子供をスポイルする甘やかし放題の毒親のごとく、あべぴょんを見守っている。

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 どんなにボロをだそうが、見ざる言わざる聞かざるを決め込む連中がなかったことにしてしまうので、この汚辱にまみれた政権は、日本の歴史に工場廃液をぶちまけ続けていくのだろう。

 そして、今回露わになったボロの中でも最悪のボロがこれである。

 

 首相は大胆な金融緩和の出口を探る考えがあるかを問われ、「ずっとやっていいとは全く思っていない。私の任期のうちにやり遂げたい」と語った。 

 

 つまりこの男は、自分が今何をやっているのか、ぜーんぜん、まーったく、さーっぱり、わかっていないのだ。

 先日、あべぴょんが「金融政策の基礎がわかってる」とかいう、二重におかしいツイートを見かけたが、やはり類は友を呼び、朱に交われば赤くなり、炭屋の小僧は黒くなる、という道理なのだろう。

 何度も何度も繰り返すが、日銀はこれまで「禁じ手」とされていた手を使っている。

 それはハイパー・インフレを引き起こすから「禁じ手」なのだ、と考える人たちがいたようだが、実際は一度始めたら「出口」がないから禁じられていたのだ。

 とにかく、行き着く先が血の池なのかお花畑なのか、たどり着いてみなければわからないのだ。

 唯一わかっているのは、「出口」を探してちょっとでもブレーキを踏んだら、たちまち転倒して大怪我をする、ということだ。

 そしてまた、何度も何度も何度も繰り返すが、「アベノミクスの最大の障害は安倍晋三」なのだ、ということを、このボロ発言から強く確信させられたのである。 

 「ずっとやっていいとは全く思っていない」のなら、そう言う自分がずっとやらずに辞めてくれ。いわゆる「ごはん論法」で。

 

 

ボロ

ボロ

 

 

信頼性って、なんだ

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 この場合の「信頼性」とは、投資家にとっての「信頼性」である。

 一般市民から見たものではない。

 そして、投資家から企業への信頼とは、端的に「つぶれない」ことである。

 ちゃんと儲かってる、というのも大切だが、それ以前にいきなりつぶれたりしない、というのが大前提なのだ。

 株を持たない人間からすれば、そうしたことは「信頼」とはならない。

 粉飾決算をしたり、安全に関わる数値をごまかしたり、経営者一族がカジノにつっこんだり、パワハラやセクハラがはびこっても恬として恥じなかったり、過労死を当たり前のように思っていたり、企業がそういうバカをやらないことの方が大切だからだ。

 むしろ、そうした企業にはつぶれてもらった方がせいせいする。

 だが、投資家からすれば、そうはいかない。

 どんなとんでもない「やらかした」企業であっても、とりあえずつぶれないことが大事なのだ。そうすれば、将来的に利益が出て来ることもありうる。

 「四半期開示」とは、いわば企業がいきなりつぶれたりしないか、目を光らせるためのものだ。

 投資家たちの鋭い眼光を避けるため、企業は必死で人件費を削り、内部留保を増やす。

 その方が投資家の方たちにわかりやすく伝わるからだ。

 投資家のうち、モノをきちんと考えているなんてのは0.1%くらいである。あとは自分の儲けしか目に入らない動物なのだ。

 

 トランプの言い草にはさっぱり賛成できないが、「四半期開示」が日経さんの言う通りに「重要」だとは、これまたさっぱり感ぜられないのである。

 

 

 

 

「男は負けるとわかっていても戦わねばならない時があるのだ!!」というやつかな

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 交渉の席につかされた時点で日本の負けである。

 できるならば、また大統領選が始まるまで逃げおおせられれば良かったが、トップがトランプの足の爪の垢をぺろぺろ舐めとって喜んでいるんじゃどうしようもない、ということか。

 あとは、なんとか致命傷が再起不能の重傷で終わることを願うしかない。

 

中国の知的財産権侵害の是正や世界貿易機関WTO)の改革で、日米両国が連携するのは歓迎だ。2国間の貿易問題だけでなく、国際的な通商問題の解決策も探る協議であってほしい。 

 

 日経さんは虫のいいことを妄想しているが、中国やWTOのことはアメリカがアメリカの都合で決めることであって、日本が嘴を容れても苦笑いされるだけだろう。

 それともこれは、後々に中国なりWTOなりに対してアメリカが効果的な動きをなした時、「あの時の日米交渉が生きた!!」と手柄顔をするための準備なのだろうか。

 会社には必ずそうした「後付けで手柄を言い立てる」人間が複数名いるものだが、おおよそは無能である。それは日経さんご自身もよっくご存知のはずだが。

 

 もし交渉でなんらかの譲歩を引き出したければ、むしろ中国やWTOと仲良くする「フリ」をアピールしておくことだ。

 しかし、現政権にはこんな寝技はまったく期待できない。

 あとは「男は負けるとわかっていても戦わねばならない時があるのだ!!」とかいう、知性から遠くかけ離れた蛮人思考にロマンを求めて慰めを得るくらいか。

 

 

 

「内需主導」という鞭を振るい続ける日経さん

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 つい先日、

最低賃金引き上げは生産性向上が前提だ :日本経済新聞

 とか杉田躍動よろしく「生産性」とかぬかしておきながら、今度は「内需主導」ときた。

 とにかく、馬には飼葉よりも鞭をくれてやるのが正しい、と言わんばかりである。

 『罪と罰』でラスコーリニコフが金貸し老婆を殺す前に、草っ原に寝転んで見た夢を思わせる。その時ラスコーリニコフは、とてもつもない量の荷を引かされ、散々に鞭打たれて死ぬ馬を見る。それは幼き日に見た光景だった。

 内需主導と言いたいのなら、まず最低賃金を引き上げておけ。

 

同じ期間の雇用者報酬が前年同期比4.3%増と24年ぶりの上昇率を示している。賃上げの裾野の広がりが消費に結びつく好循環が始動したのか、が注目点だ。

 

 失業率が下がったのだから当然のことで、大して驚くようなことではない。むしろそうならなかったらびっくりである。日経さんは喜ぶだろうが。

 そして、内需主導とほざいたその舌の根も乾かぬうちにこう書く。

 

 気になるのは外需の動向だ。 

 

 ここで本音が漏れている。だいたいアベノミクス自体が、内需を押しつぶして外需に期待するところが大きくなっており、それは「三本の矢」とかのしょぼさ加減に表れている。

 結局、外需に不安が残るから、内需主導でよろしく、と言ってるだけなのだ。どこが「主導」なんだか。

 ここまで堂々と身勝手なことを垂れ流せるのも、あべぴょん三選が濃厚だからか。

 そんなに内需が必要なら、

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 定年を逆に短縮して、年金を倍にしたらどうかね。

 50代向けのCMが増えてるのを見てもわかるように、今の年寄りの消費性向は昔よりずっと上だよ。

 

 

 ちなみに、ニーチェは鞭打たれる馬に「もうやめてくれ」と泣きながらとりすがり、それから発狂してしまったそうだ。