公益法人といえば思い出す「某私人(閣議決定済み)」
日経さんが公益法人についてご来賓の挨拶のようなことを述べているのだが、これはやはりあれか、あのお方への非常に遠回しな「ヨイショ」なのか。
なんかこんなボヤ騒ぎがあって、懸命に火消ししていたっけ。
で、とうの「私人」は少しくらい反省したのかといえば、今もって社会貢献支援財団の「会長」におさまっていたりする。
会長 安倍 昭恵
「もう世間ではあの騒動はなかったことになっている」ということになっているようだが、そうなっているのはなんとなく支持している記憶力の鈍い方々だけである。
そのうち、大向こうの期待に応えて、またぞろ何事かやらかしてくれることだろう。
日経さん「言いたいことはわかってるからこれ以上何も言わないでくれ」
「言いたいことはわかってるからこれ以上何も言わないでくれ」という日経さんである。
じゃあ、何も言わなければきちんとやることをやるのかというと、「わかってるから」というだけで何もしないのだ。
そのことは最後の一文に表れている。
米欧の報酬開示の動きも見つつ議論を深めるべきだ。
「議論を深めるべきだ」という。
日経さんの「議論を深める」というのは、議論するだけしてほとんど何もしないことである。するべきことは「議論」だけなので、それを「深めるべき」で終わらせて行動に繋げない、というわけだ。
とはいえ、ジャーナリズムの矜持などハダカネズミの鼻毛ほど持たない日経さんが、口先だけでもこういう社説を書くのにはわけがある。それは、どなたかに気を使わざるをえなかった、ということだ。
誰に気を使ったかといえば、一般読者でもなく、世間様の声でもなく、株主様であろう。
ゴーン逮捕を機に、株主が企業経営に口を挟みやすい環境を作りたい、という動きがどちら様かからもたらされ、日経さんはしぶしぶと従う身ぶりをしてるというわけだ。
株主と企業経営者の間に摩擦が起きると、右顧左眄首鼠両端、二股膏薬が常の日経さんなのである。
さかあがりのできない子に大車輪をやらせようとする日経さん
日経さんは、さかあがりのできない子に大車輪をやらせたい、とお考えのようだ。
内輪の席ならみんなで手助けして低い鉄棒でぐるんと回して、「わー、できたできた、えらーい」と手を叩いていれば良いが、ホーム開催とはいえヨソ者だらけの中で幼稚なやらせは通じまい。国内向けだけごまかしておけばいい、と親バカを決め込んでも恥を重ねるだけだとなぜわからないのだろう。
G20などと言っても所詮は烏合の衆だ。アメリカが「いやいや」をすればすぐバラバラになってしまう。金丸信の言を借りるならば「馬糞の川流れ」というやつである。
そんな状況を、金をばらまくしか能の無い世襲三代目お坊ちゃんがまとめられるわけがない。しかもこの坊ちゃん、G20崩壊の要因であるトランプの靴を舐め、習近平に三跪九叩頭したばかりである。
G20の首脳が一堂に会するようになったのは、08年9月のリーマン・ショックをともに協力して克服するためだ。だが危機から遠ざかれば遠ざかるほど国際協調のエネルギーは失われ、ついには米国をはじめとする「自国第一」の流れに抗しきれなくなった。
所詮「アメリカ発」の経済危機を何とかしようとして集まっただけに過ぎないのだから、アメリカの景気が良くなれば用済みなのである。
この先、トランプの「やらかし」でアメリカの景気が悪くなるか、フランスの黄巾の乱、じゃなくてイエロー・ベストが飛び火してトランプが失脚でもしない限り、元には戻るまい。
あべぴょんにできることといったら、またアメリカから兵器を買い増すくらいのものだろう。
日経さん「もう!野党はしっかりして!!」
「もう!野党はしっかりして!!」という物言いが、どこから湧いてきたかは知らないが、現政権を支持する方々がいかにものを考えていないかが、ここによく表れている。
そして、その「考えのなさ」は日経さんもまた同レベルであるようだ。
www.nikkei.com
日経さんはまず、政府与党に注文を付ける。
政府・与党は参院での審議を通じ、様々な懸念に丁寧に答えていく姿勢が必要だ。
「姿勢」さえあれば、行動が伴わなくとも良いようだ。
続けて淡々と政府の方針について述べたあと、
野党はこれまでの審議で、現行の技能実習制度の問題点の追及に多くの時間を割いた。一方で建設や介護、建設、農業、流通分野などの深刻な人手不足に、今後どう対処していくべきかという本質的な議論は深まっていない。
と、野党に文句を言う。多くの時間が割かれたのは、多くの問題点にまともに答えない側に責任がある、と普通は考えるものだが。
諸外国の教訓に学び、最良の制度として導入する責任が与野党双方にある。
「与野党双方にある」と言って、与党の責任を軽くしている。
今回の場合、野党で責任があるのは維新と希望くらいのものだと思うが。
ぼやかすことで、野党で反対した政党にありもしない責任をなすりつけようとしている。
国民民主党は産業別や地域別に受け入れの上限を定める方法を提案している。技能実習制度の抜本的な見直しも含め、幅広い論点について審議を尽くすべきだ。
国民民主党は物分かりがいいね!とさりげなく持ち上げつつ、技能実習制度などを持ち出して論点を「幅広く」し、焦点が定まらないようにしている。
日経さんが移民賛成なのは昔からだが、野党を詰ることでしか与党を擁護できないのなら、もうジャーナリズムの看板を降ろした方が良いのではないか。
日経さん、また「ツッコミ待ち」をする。
日経さんの「議論を尽くせ」は、「議論」とやらを「尽く」しさえすれば、あとは何もしなくていいという意味合いである。
もしかすると、日経さんの『用語の手引』にはそう書いてあるのかもしれない。
とにかく今回の社説、無駄に偉そうである。どういう具合に偉そうかというと、なぜか大正テレビ寄席でスーツ着て漫談していた往年の立川談志のように偉そうだ。
米朝首脳会談が開かれ、日中関係も改善の兆しがみえる。一時の緊張は和らいだが、軍事力の近代化や脅威の多様化で「アジア太平洋地域の安保の課題や不安定要因はより深刻化」(防衛白書)している。
対北朝鮮、対中国で緊張が緩和したなら、「深刻化」ってなんじゃらほい。
北朝鮮は既存の核・ミサイルを全く手放していない。中国は航空母艦や潜水艦、次世代戦闘機といった海・空戦力を急速に拡大している。
それが脅威というなら、日本の自衛隊だって周辺国にとって脅威だが。
宇宙、サイバー分野など新たな脅威への対処も課題となる。
宇宙はともかく、サイバーはわからんでもない。
で、パソコンに触ったこともないのが、「サイバーセキュリティ担当大臣」だったりする訳だが、こういう「意識」の問題を先になんとかした方がいいんじゃないのかね。
防衛にだって関係してくる話だろうに。
自民、公明両党の防衛大綱見直しに向けた作業部会の初会合で、防衛費が大幅に増えざるを得ないとの声が出た。脅威の対象や空間の広がりに応じて新規の予算措置がいるにしても、限られた財源の中で何を重視し何を削るのか、精査を徹底してほしい。
「精査を徹底」とツッコミを入れつつ、次にこんなボケをかます。
歳出が増える要因のひとつは、米国から巨額の防衛装備品を調達するためだ。
「ほんなら、断らんかい!」とツッコミたくなるが、ここは流してしゃべらせてみよう。
安倍晋三首相は自衛隊幹部らに「これまでの延長線上ではなく、大局観ある大胆な発想で考え抜いてほしい」と指示した。護衛艦の空母への改修の是非や次期戦闘機の開発のあり方、「専守防衛」の理念との整合性なども、この機会に議論を深めたい。
トランプの言いなりになって兵器を買いまくることが、「大局観ある大胆な発想」なのだろう。
宇宙・サイバー防衛などに陸海空の各自衛隊が横断的に対応する「クロス・ドメイン」について、与党会合で「日本語でわかりやすくすべきだ」との注文がついた。防衛は巨費がかかるわりに実態がみえにくい。国民にわかりやすく説明することも重要である。
この注文って、まさか「サイバーセキュリティ」の人がほざいたんじゃないだろうな。
「わかっとらんのは、お前らやろ!」とツッコンでも、「もうええわ!」と終りにならないのが、この漫談の頭の痛いところである。
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追記
こんな「大ボケ」を防衛省がかまして来たが、日経さんはさらっと流すのだろうか。
東京新聞:米兵器ローン急増 来年度予算圧迫 防衛省、支払い延期要請:社会(TOKYO Web)
防衛省が今月初め、国内の防衛関連企業六十二社に対し、二〇一九年度に納品を受ける防衛装備品代金の支払いを二~四年延期してほしいと要請したことが関係者への取材で分かった。高額な米国製兵器の輸入拡大で「後年度負担」と呼ばれる兵器ローンの支払いが急増。編成中の一九年度予算の概算要求では、要求基準を事実上二千億円超過しており、国内企業に「返済猶予」を求めるという異例の事態となっている。 (「税を追う」取材班)
要請を受けた企業は「資金繰りに影響が出る」などと反発。企業側の同意がなければ支払いの先送りはできず、年末の一九年度予算案の作成までに、どれだけ削減できるかは不透明だ。
複数の関係者によると、防衛省は今月二日と五日の二回に分け、航空機や艦船の部品を扱う企業などを同省に呼んで説明会を開催。一九年度に納品予定の部品の契約を変更して追加の発注を行う代わりに、代金の支払いは追加分が納入される二一~二三年度に一括して行うと提案した。今後、個別に各社と交渉したい考えを示したという。
輸送機オスプレイや早期警戒機E2Dなど、安倍政権になってから米国政府の「対外有償軍事援助(FMS)」に基づく高額兵器の輸入が急増し、FMSのローン残高は本年度一兆一千三百七十七億円と五年前の約六倍に拡大している。
一九年度に支払時期を迎えるローンは、国内産兵器分と合わせて二兆六百四十七億円。同時に支払額より四千四百億円多い二兆五千百億円の新たなローンが発生する「自転車操業」の状態になっている。
防衛省は一九年度予算で、本年度当初予算の2・1%増となる過去最大の五兆二千九百八十六億円を要求しているが、ローン返済額(歳出化経費)と人件費・糧食費を合わせると要求の八割を固定経費が占める。
そのため、例年は二千億円程度を盛り込む米軍再編関連経費の額を概算要求に盛り込まなかった。防衛省の幹部はこれまでの取材に「要求額を小さくしていると批判が来ることは分かっていたが、そうせざるを得ないほど後年度負担(兵器ローン)がのしかかっている」と証言していた。
ゴーン逮捕は日本にとって良いこと
日経さんの社説のタイトルは全くその通りだ。
しかし、「抜本」というからにはその「根本」を見つめ直すことが求められる。
なぜ実習生が劣悪な環境に置かれるかというと、そうした環境にあって低賃金で働く「奴隷」を、この日本という社会が必要としているからだ。
彼らが低賃金で働いているからこそ、例えば鶏卵は1パック100円で売ることができる。
そして、それを必要としているのは、鶏卵を1パック100円で買おうとする貧しい消費者「ではなく」、多くの消費者を貧しいままにしておきながら鶏卵を1パック100円で買わせることで、かろうじてその不満を封じている「上つ方」の連中である。
富裕層とそれ以外(もはや貧困層などではなく「それ以外」である)の格差が広がり、やっと飢えずにいる状況でありながら、必要とあれば雇用の調整弁として首を切られる「それ以外」は、富裕層が年代物のロマネ・コンティを死蔵するために貧しいままに留め置かれるのである。
しかも、「この素晴らしい日本という国で、栄えある日本国民であることに感謝しろ」という強制付きである。
こうした状況を変えることこそが「抜本見直し」である。
日経さんが社説で述べる種々の事柄は、やった方がいいが「抜本」とは呼べない。
こうしてみると、今回のゴーン逮捕は日本にとって良いことであったと思える。
もちろん、モリカケでゼンマイの切れた玩具のように動かなかった検察など信用してはいない。彼らがどのような政治的思惑で動いているか、ということとは関係なしに、「コストカッター」として手腕をふるい、確実に日本の年間自殺者数を増やしてきた男が逮捕された、ということそのものが「良いこと」なのだ。
今後どのような罪状が暴かれるかわからないが、今まで俯いて諦めた笑みを浮かべていた「それ以外」が、少しは目線を上げるきっかけくらいにはなるだろう。
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追記
あと、これにはちょっと吹き出してしまった。
「出身国がどういう経済的状況であろうと日本人と同等以上の賃金で」安倍首相 | 注目の発言集 | NHK政治マガジン
先日ここで書いたエントリーで、
外国人労働者に最低限なすべきこととは、絶対に日本人の労働者以上の賃金を支払う、ということである。
と書いていたからだ。
「誰が言ったかではなく、何を言ったかが重要」というのは、その発言が論として批判をなしている場合であり、発言に対する行動の主体がその言を成している場合は、「何を言ったか」以上に「誰が言ったか」が重要になってくる。
この場合、発言者は嘘をつかないと死んでしまう男であり、このように「正しい」ことを述べてとりあえず批判を避けようという姑息さは、国家に対する重大な犯罪としてカウントしてもよさそうにも思える。
意固地に憲法改竄したがっているのはあべぴょんの方だが
本来の日本「経済」新聞であるなら、ここは「憲法なんぞ議論する暇があれば経済をなんとかせんかい!GDP下がっとるじゃろが!!」と叱りとばす局面ではないか。
それをのんびり憲法「論議」などと、日経さんはどこまであべぴょんを信じて甘やかすのか。
ちょっと日経さんに、あべぴょんの憲法「改竄」案が、どのくらい日本経済に資するのか「論議」してもらいたいものだ。
ところで、日経さんは「論議」などとぬかすが、あべぴょんとその一味のすなる「論議」なるものは、広辞苑に載っかってるようなちゃんとしたものではない。
「議論の環境が整わない」として審査会の開会を妨げるのはいかがなものか。
ただ一方的に自分の意見を言い放ち、反論には一切耳を貸さず論点をずらしまくり、いたずらに時間を消費することで「論議を尽くした」「こんなにも論議したのに野党はまだ文句があるのか」などとぬかすためのアリバイづくりでしかないのだ。
意固地になって開会を拒否し続ければ、いずれ逆風は野党に向くだろう。
逆風なら、この社説で日経さんが率先して吹かせているではないか。
国会論戦は議事録という公文書に記録が残る。護憲ならば護憲、改憲ならば改憲の立場できちんと発言することが、国民の憲法への理解を深める一助になる。
一助なんぞになりはしないことは、日経さん自身もよくわかった上で書いているのだろう。
「きちんと発言」なんぞ、あべぴょんとその一味はハナからするつもりがないのだから。
それでも「保守」の方々がわーわー詭弁を並べ立てれば、国民は憲法を「理解」してしまうという具合である。
日経さんは犯罪的な憲法「改竄」に手を貸しているわけだが、その辺は「きちんと理解」できているのだろうか。
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