アベノミクスという名の孤児

 まず、その名を受けたあべぴょんは、アベノミクスについてまったく理解できていない。あべぴょんの目的はあくまで改憲であり、アベノミクスはそのための撒き餌程度の認識である。

 

 では日銀のハルヒコ君はどうか。アベノミクスのうちの第1の矢として異次元緩和を行ったが、それはあくまで消費税増税のためのものだった。

 財務省の認識もこれに同じ。

 

 上場している輸出企業は、円安にさえなればなんでもよかった。賃上げも国内への設備投資も、しなくてすむんならそれにこしたことはない、との認識だ。

 

 クルーグマンやスティーグリッツは再配分が必要だと言ったが、それは海の向うの利害関係を持たないものの発言とされた。しかし、所謂リベラル派の口を塞ぐのには、ちょうどよく機能した。

 

 アベノミクスは名のみ広まり、誰も本気で行おうとはしなかった。

 そんなものにいったいどんな「通信簿」をつければいいのだろう。


アベノミクスに通信簿つける選挙 :日本経済新聞

 

 どんな大義名分を口にしようが、国民の多くは白けている。

 結局、確実に消費税を増税してくれるのは自民党だけなので、たとえ増税が延期されても日経は自民党支持せざるをえない。

 

>民主党がこじらせた日米関係もほぼ修復した。その力量は認めなければならない。

 

 え?いつの間に修復したの?まさかオスプレイが来たからとか?

 靖国で失望させた件など、無かったかのような書きぶりだ。

 

 まあ、これは推測だが、これから報道の多くで、「消費税増税にストップをかけるのは自民党」のような空気が醸成されてくることだろう。そのままを口にせず、あくまで国民の勘違いを誘う「空気」として。

 2010年の参院選で、菅政権が自民党の消費税増税案に理解を示したことを槍玉に挙げ、まるで菅直人が消費税を増税するかのような空気を作り出し、消費税増税への反対票を自民党に集めることに成功したように。

 その時、消費税増税自民党の公約だったのだが。

 当時の民主党マニフェストに消費税増税はない。(なんか「クールジャパン」とか出てきたりする)

 民主党マニフェストに無いことを決めたのは、選挙の敗北によって自民党の意見を無視できなくなり、社会保障と税の一体改革でそれをのまざるを得なくなったからだ。今回、あべぴょんが増税延期を決めた景気判断条項も、最初自民党が反対したところへ、民主党(そして公明党)がくっつけたものだ。

 しかし、それでも民主党の責任は大きいわけで、それをあげつらうだけで、自民党はその実際とは逆の評価を手に入れることができる。

 とても簡単だが騙される人が多い手品、という感じだ。

 

 あと、投票率は低くなることだろうが、出来るだけ多くの人に投票してもらいたい。

 「自民党は嫌だが、他に投票できる政党が無い」というのであれば、高倉健と書いてもらってもいい。

 批判の意味をこめて。

 

 

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